パープルカフェ忘年会にて~今年の良かったことをふり返る~

もう気づけば12月ですね。パープルカフェも2月に第一回を開いて、7月からオンラインで再開して毎月続けて、参加者も増えてきました。

今月は忘年会ということで、自己紹介のときに、「今年良かったこと、達成したこと(途中まででも)」を話してもらいました。

「通院状況が変わって、適切な治療を受けられるようになった」「作業所に通い始めて、立て直しのスタートが切れた」「一度も入院せずに過ごせた」といった話が出ました。世間では不安になるニュースが毎日絶えない一年でしたが、みんなそれぞれ良いことあったようです。

「今日こうやって過ごせること」という方もいました。こけしも、本当にみなさんと話せて、幸せだなあとしみじみ感じました。新型コロナウイルスの影響で、オンライン開催を始めたわけですが、そのおかげで遠方からつながることのできた人たちもたくさんいます。

こけしの今年良かったことは「髪が伸びたこと」です。長らくボブカットでしたが、その理由のひとつは「てんかん発作」でした。こけしは入浴中、特に洗髪中に発作が起きることが多く、お風呂で発作があるたびに「またやってしまった…」と落ち込み、お風呂が怖くなっていました。

なので洗髪時間を短くするために、髪を伸ばさないようにしていました。一年くらい前までは、発作があるたびに「どうせならベリーショートか、坊主にしてしまおうか」と本気で悩んでいました。

でも今年は「タスクペディア」を利用した入浴のタスク管理で、変に怖がり過ぎずに、発作を防ぎやすい入浴ができるようになりました。毎月、病院で「髪が伸びたね」と言われて、髪の長さは「目に見える成果」に感じられました。さすがに伸びすぎてきましたが…(笑)。

タスクペディアの使いみち~入浴時のてんかん発作を減らす~

 

ちなみに、なんで「良かったこと」を話してもらったかというと、「人間は悪いことの方に目が行きやすい」からです。障害や病気などは特にそうだと思いますが、「成功」「長所」より「失敗」「欠点」が注目されがちです。「てんかん」でも発作がない人や、発作があっても自立している人はたくさんいるのに、悪いイメージや交通事故のニュースばかり注目されてしまいます。

それと、最近SHIPのSSS(社会生活技能訓練)研修に参加させてもらったのですが、そこでの「正のフィードバック」を見ていいなあと思ったのも理由です。

ロールプレイ後に、進行役の人に、他の参加者が「良かった点」を上げるのです。ただ「感想をどうぞ」だとつい「もっと声が大きい方が良かった」「進行が遅かった」など、「改善点」や「欠点」を言いたくなってしまうものです。

そこであえて、「良いところをあげる」ことで、言われる側は自信や意欲を持てるし、言う側も意識的に良い部分を探す視点が持てます。なにより、参加者がみんな楽しそうで、「研修」という堅苦しくなりそうな場が、とても良い雰囲気になっていました。

今年は日常が大きくくずれた人や、まだまだ不安を感じている人も多いでしょうが、そんな中にも、たくさん良いことが埋もれているはずです。

大変な一年でしたが、まずは「良いこと」からふり返ってみてはどうでしょう。