服薬管理のやり方『薬の一包化』

先日の『パープルカフェ』では「薬の管理でなにかやっていることはあるか」という質問が出ました。

抗てんかん薬ついては以前にブログに書きましたが、今回は「服薬管理」の方法のひとつで、パープルカフェで話題に上がった『薬の一包化』の話をしようと思います。

抗てんかん薬について知らなかったこと|障害福祉マンガ劇場

 

てんかんの治療のメインは「服薬」で、患者の7~8割は服薬で発作が抑えられています。

「てんかんが治る」わけではないので、服用はずっと続ける必要がある人がほとんどです。

難治性てんかん(服薬で発作が抑えられない)だと複数の薬を飲むことや薬を変更することも多く、さらに他の疾患などがあると、一日に何度も、たくさんの種類の薬を飲むことになります。

そんな中で「飲み忘れ」「飲み間違い」をしないことはとても大切です。

でも、毎日何年も飲み続けていても「あれ、今日飲んだっけ?」ということはあるものです。

薬でなくても、「家のカギかけたっけ?」「ごはん何食べたっけ?」など、毎日のことでも、人間けっこう忘れっぽいものです。

 

『薬の一包化』というのは、一度に数錠、数種類の薬を飲む場合に、処方薬局で一つの袋にまとめてもらうことです。

粉薬だと袋に入っていますが、錠剤は10錠くらいずつのシートに入っています。

例えばこけしの場合、カルバマゼピンを朝4錠、夜3錠に、イーケプラを朝夜3錠ずつ飲んでいます。

シートで処方されたままで飲むとしたら、1回ごとに7~8錠プチプチ取り出して飲むことになります。

単純に面倒くさいし、間違えそうですよね。残り何日分あるかも見ただけだと分かりません。

また、パープルカフェの参加者も言っていましたが、シートだと地味に破れて錠剤がはみだしてくることもあるので、持ち歩きに不向きです。

これを、朝と夜の分でそれぞれ、ひとつの袋にまとめて処方してもらうことで、飲み間違いや飲み忘れを防げます。

袋に服用時(朝食後、就寝前)や日付、氏名などを印刷してもらえることもあります。

一包化には処方する医師の指示が必要で、また専門の機械がないとできないそうです。

まずは主治医に相談して処方箋を出してもらい、一包化できる薬局で調剤してもらいましょう。

デメリットは、シートに比べて調剤に多少時間と、お金がかかることです。あとは湿気に弱いなどで一包化できない薬もあるそうです。

パープルカフェの参加者にも、一包化をしてもらっている方が何人かいましたが、「今日初めて聞いた!」という声もありました。

一包化の話が出たとき、こけしは最初「みんな知ってるんじゃないかなあ」と思いました。

なぜかというと、ラファミド八王子(障害者向けグループホーム)で働いていたとき、服薬管理の支援で、一包化の薬を見慣れていたからです。1日に4回、数種類の薬を飲む人も少なくありませんでした。

でも考えると、障害者支援の仕事に就かなければ、自分も知らないままだったかもしれません。

薬の管理については他にも、「発症した中学のころは『予備薬』なんて考えたこともなくて、大人になってインターネットで他の患者さんの話から知って持つようになった」という話も出ました。

こけしも病気や薬、支援などについて、小さいころ病院では教わらず、大人になってから知ったことが本当に多いと感じます。

福祉の現場でもそうだと思いますが、医療従事者にとっては「常識」に感じられることも、一般の患者にはまったく分からないことも多いでしょう。患者の目線での情報提供をお願いしたいと思います。