あとがき

私は11歳の頃、病気になりました。「 てんかん 」です。色々ありましたが、「 てんかん 」は自分の個性だと思っています。そんな私は今、障害を持つ方への支援の仕事をしています。ある日、会社の上司から「その話、マンガにしてみない？」と言われました。まずは気軽に読んで貰えればと思います。

「 てんかん 」「 けいれん 」という言葉は、たまたま知っていました。だから、自分が倒れて運ばれたとき、すぐに「 てんかん 」だと気付きました。その後、「だれにも言っちゃダメ！！」と口止めされ、孤独が１０年以上続きました。もしあの時、母が「そうだよ」と言ってくれたら、ただ受け入れて貰えていたら...

周りの人に気付かれない小さな発作を繰り返しながら、大学生になりました。東京へ上京し、２回目の大発作が起きました。それから、段々小さな発作も重くなり、周りに隠しきれなくなっていきました。必死の思いで「 てんかん なの！！」と口に出したのですが...

「 てんかん 」を隠さなくて良くなり、開放感で一杯です。同じ頃、私は、治療への思い込みからも、解放されました。薬で発作を抑えるのではなく、原因を治療するのです。26歳で今の仕事に就職、27歳で新しい家族も出来ました。そんな中、母親にだけは、イライラしてしまいます。私の欲しい言葉は言って貰えないのだと...

気付くと結局、毎晩同じことを考えています。「 てんかん 」のこと。母への言葉... 周りに理解して貰えて、歳も重ねて、段々気付きます。親だからって、理想通りでなくて当たり前。いつか気持ちを話せなくなる日も来る...。直接話せる自身はまだありませんが、気持ちを全て手紙に書きました。