井の中のこけし 大海(東京)を知る
周りの人に気付かれない小さな発作を繰り返しながら、大学生になりました。東京へ上京し、一人暮らしをはじめました。一人暮らしは楽しいけれど、なかなかハードです。炊事、家事、アルバイト…20歳からお酒も飲むようになりました。
そんな中、2回目の大発作が起きました。帰省中、実家でトイレに行こうと、階段を降りようとしたところまで覚えています。気が付くと、救急車の中で鼻血を出していました。
それから、段々小さな発作も重くなり、周りに隠しきれなくなっていきました。就職後はますます重くなり、会社は1年でクビになりました。友達は、悩みを話そうとしない私に怒って口を利いてくれなくなったこともありました。
友達:「どうしたの?」
こけし:「 てんかん なの!!」
友達:「…」
友達:「へー」
必死の思いで口に出したのですが…友達の反応はとても軽かったのです。10年以上、私を孤独にしていた封印は一瞬で解けました。
他の人達に話してみても、反応は普通です。「 てんかん 」も「 けいれん 」も、人に話すといけない言葉では無かったのです。
恩師のひとりからは、「君の 個性 だね」と言葉をかけられ、目からウロコでした。
そして、誰にでも話せるようになりました。ただ、自分の親を除いて…