てんかん発作を抑える方法は、薬や手術だけではありません。
食事・運動療法、発作の誘発要因となる睡眠不足、ストレスや疲れを減らすことなども効果があります。
こうした日常生活の中での治療をやりやすくするツールのひとつとして、こけしは「タスクペディア」を2018年から活用しています。
「こけしさんはタスクペディアの使い方がおもしろいですね!」と開発者でADHD当事者の小鳥遊さんからもよく言われますので、ビジネスとはちがった視点での使い方を紹介してみます。
そうそう先日、パープルカフェの参加者さんから、こけしのツイートなどでタスクペディアに興味を持ち、タスク管理での服薬管理を始めて、飲み忘れが減ったというお話がありました!
タスク管理は「うまくいかない」「面倒くさい」などと感じていることを動きやすくできるツールだと感じます。仕事に限らず、日常生活でも、そう感じている方には、ぜひ一度、試してもらいたいなと思います。
※「タスクペディア」の無料ダウンロード・使い方の動画はコチラ→https://www.taskpedia.club
前回は、「いつか」やろうとたまっていることを片づけてストレスを減らす「いつかにやるタスク」を紹介しました。
今回も、ストレスに関することです。ストレス解消法はいろいろあると思いますが、過剰な飲酒や喫煙など体調に影響を及ぼす行為、自分を傷つけてしまう行為もありますよね。
そんなついついやってしまうが本当はやめたい「自傷行為」や「悪癖」の改善タスクについて書こうと思います。
自分の自傷行為・悪癖
「自傷行為」と聞くと「リストカット」を思い浮かべる人が多いかと思いますが、実際にはもっと多種多様で、経験している人は想像以上にたくさんいます。
「悪癖」は文字通り「悪いくせ」のこと。
ストレスがたまっていると、多くなる行動ってありますよね。ため息、独り言、貧乏ゆすりなど・・・
こういった行動は、オナラと同じで出てしまうものは出せるところで出そう、と思っていますが、中には「本当はやめたい」「やめた方がいい」と思う行動もありますよね。
こけしは、SHIPの先駆けであるラファミド八王子のオープニングスタッフなのですが、まだまだ仕事に慣れず忙しいころ、帰り道のトンネルの中、毎日大声で歌っていました。「はたから見たら変な奴だよな・・・」と思いつつも、歌わずにはいられなかったです。「人はほとんど通らないトンネルの中だけだし、ギリセーフ」と思って続けていました。
そのころは他にも、イライラすると衝動的に「物にあたる」「自分を傷つける」ことがありました。
具体的には、「電柱を蹴りたくなる」「自分のボールペンや携帯電話を噛む」「自分の指の爪を、もう一方の手の爪で剥いてしまう」です。
電柱は公共の物だし・・・と思うだけでとどまっていましたが、自分の物は仕事中でも噛んでしまい、何個もボロボロにしてしまいました。
爪も、剝いているときは気持ちいいのですが、見た目は悪くなるし血が出てしまうこともあり、何度も後悔しました。
まわりの目も気になり、それが新しいストレスになって、悪循環なのはわかっていましたが、やめられなかったです。
ラファミド八王子の上司や同僚は相談に乗ってくれ、調子が悪い時は通院や休むことを勧めてくれましたし、仕事も少しずつ落ち着いて、物を噛む癖は、だんだん減っていったかと思います。
また、支援のために、心理療法や自己分析などを学び、それを自分自身にも活かしていけたのもあると思います。
例えは、アンガーマネジメントの内部研修での自己分析によると、自分は怒りをぶつける対象が「①物②自分③他者」の順と出て、「あ、確かにそうかも」と思ったことが印象深いです。自分の傾向が分かると、行動も変えやすくなりますね。
その後、自宅勤務になり、現在はストレスも大分少ない生活です。でも「軽度の自傷行為」と言えるような癖は、最近までありました。イライラすると衝動的に「右手の親指を噛んでしまう」のです。
歯形がつくくらい噛むと、少しスッキリした気がするのですが、同時に「こんなことしたらだめだな」とも思います。
「血が出たり跡が残ったりはしない」「痛みが快感」「一人で仕事しているから逆にまわりの目も気にならない」などが続けてしまった理由かなと思います。
でも毎回「本当はやめたい」と後悔します。そこで、タスク管理を使いました。
タスク管理で「衝動的な行動」を意識して違う行動に
「衝動的な悪い行動」をやめるために、別の行動(タスク)をあらかじめ決めておき、「やってもいい行動」に上書きすることしました。
今回、「指を噛む」の他に、「舌打ちをする」「爪をはがす」という直したい癖も、タスク化しました。
散歩中などにイライラするとつい「チッ」と舌打ちをしてしまうのですが、自分が人にされると怖いので、やめたいと思っていました。爪も最近はやめられてはいましたが、剥きたくなる衝動は時々感じていました。
それぞれ、「衝動的にやりたくなったときに、代わりの行動をとる(必要ならそのために準備をする)」流れを具体的に書き出してみました。
タスクペディアではそれぞれのタスクを誰がやる状態か「当方」「先方」など設定できますが、「指を噛みたくなる」「舌打ちしたくなる」は衝動的にやりたくなることなので、状態は「未到来」(まだそのときになっていない)にしています。
そして、代わりの行動を、自分が行うタスクとして設定します。
「指をかむ、舌打ち→指パッチン」「爪をはがす→爪切りを用意して、爪を切る」にしました。
タスク化すると、たった2~3個ですね。これだけかい、と思うでしょうが、こうやって「頭の外に出して書き出す」だけで、「未到来」な衝動が実際に到来したとき、感情任せではなく、決めてあるタスクを意識して実行できます。
タスクを作成した後も、イラっとしたときは何度も指を口元まで持っていってしまいました。でもそうすると「指パッチンする」という次のサブタスクが頭に浮かび、行動をスライドできます。
指パッチンを何度か続けていると、だんだん噛みたい気持ちも落ち着いてきました。
今回は一回でうまくいきましたが、もし指パッチンがしっくりこなかったら、「水を飲む」「深呼吸する」など、他の落ち着ける行動に設定し直したと思います。
上手くいかなくても何度でも修正できること、そこから自分に合うやり方が具体的・客観的に見えてくることも、タスク管理のいいところだと私は感じています。
このブログを書きながらも、なかなか文章がまとまらないな、早くしなきゃとイラ立ち、何度も親指をくわえそうになりましたが、そこから滑らかに指パッチンをして、噛まずに書き上げられました。
「やめたいけどやめられないこと」がある方は、「やめなければ」と考えるのではなく「代わりのタスク」を試してみてはどうでしょうか。
それから、「自傷行為への具体的な対策」については、ちょうどラファミド時代からの頼れる上司・上田さんもブログを書いていたので、こちらもぜひ、参考にしてもらえたらと思います。↓
アンサーブログ:思春期から精神疾患を発症。長いこと回復されていない方からのご相談に答えしました。