ツイッターやパープルカフェでいろんな人と話すようになって、あらためて気づくことが増えました。
この前、パープルカフェで「お風呂で発作が一番起きやすい」と話したら、みんなが心配そうな反応をしたのを見て、はっと気づきました。
「みんなの心配と、自分の心配は、たぶんずれている」と。
「お風呂」で「発作」と聞くと、たいがいの人が「溺れる」と想像して心配するのではないでしょうか。
でも、こけしは「溺れる」とはまったく思っていないです。
てんかん発作では突然意識を失う場合もありますから、心配するのは当然と言えます。実際、お風呂でてんかん発作を起こしたために亡くなったという例はあります。
こけし自身も意識を失う発作が起きることはあるので、溺れる可能性がゼロとは言い切れません。
でも、てんかん発作は「意識を失って倒れる」とは限りません。
人によって、意識の有無も、症状や頻度も、本当に千差万別です。意識を失っても動いていることもあれば、意識があるけど動けないこともあります。
こけしの場合は、意識を失う発作も何度も経験していますが、今まで起きた発作の大半は意識のある部分的な発作(意識保持焦点発作)です。気分が悪くなって、ごく短時間で元に戻ります。
10代のころから今まで、入浴中や入浴後に発作がなかった年はほとんどないと思います。でもそれは何千回と入浴してきたうちの数十回なはず。
前兆か意識のある発作だけで、溺れたこともケガしたことも一度もないです。
一番困ったのは、自宅のお風呂で発作が起きて、シャワーの止め方が分からなくなって、あせって廊下を水びたしにしてしまったことでしょうか…。
でも、こけしは一時期、お風呂に入るのがすごく怖くなっていました。
それは危険だからではなく、「また発作があったと診察で言わなければいけない」「また運転免許取得や子どもをつくる話が先送りになる」と思うのがつらかったからです。
今まで「お風呂に入らなければ発作が起きなかったのに…」と何度思ったか知れません。なるべく入浴、洗髪時間を減らすために坊主頭にしてしまおうかと悩むことも何度もありました。
他の場所での発作に比べて、お風呂は起きやすいことがわかっている分、「入らなければよかった」と思ってしまうから、余計に自分を責めてしまったかもしれません。
今は逆に「起きやすい」とはっきりわかっているから「回避しやすい」と考えて、入浴中や後の発作を減らすように、タスク管理などで取り組んでいます。
発作自体も確実に減らせていると感じるし、発作が起きたときも反省はするけど、余計に落ち込むこともなくなったと思います。
ちなみに、長年お風呂で起きやすい理由は分からなかったのですが、最近受講した日本てんかん協会のてんかん講座で「入浴はてんかん発作の誘発因子」とはっきり示され、さらに「血流が良くなること」が特に影響するらしいと主治医が調べてくれました。
入浴を禁止されているてんかん患者も多いと聞きますが、単純に危険を避けるだけでなく、向き合って対応していく道はいくらでもあると思います。
てんかん患者の生活に選択肢が広がるためにも、「てんかんは個人個人で違う」という認識が広まってほしいと思います。