【パープルカフェ参加者インタビュー】障害者の生の声を聴いてほしい

パープルカフェ」は「てんかん患者で気軽に話せる場所」として、2020年2月から始めた活動です。

現在は、毎月2~3回、Zoomでオンライン開催と、2ヶ月に1回立川で直接集まっての開催をしています。どんな方が参加しているか、どんな場所か、参加者の方にインタビューさせていただきました。

今回は、2021年4月に初参加され、昨年からはSHIPとボランティア契約を結んでパープルカフェ運営のサポート役をしてもらっているNOBUさんにお願いしました。

 

難聴は生まれたときから、てんかんは30代になってから

--簡単に自己紹介をお願いします

NOBUさん:NOBU(のぶ)です。診断名は症候性局在関連てんかんで、右側頭葉の難治てんかんです。発症は30歳を過ぎてからで、リーマンショックの翌年だったので、14年経ちます。

てんかんの他に先天性の聴覚障害があり、徐々に悪化していて、今は補聴器を外すとほとんど何も聞こえないくらいです。

一人暮らしをしています。

 

--ご自身のてんかんについて教えてください

NOBUさん:病原はほぼ特定できていますが、発症の理由については100パーセント正確な答えは分かっていません。

手術も勧められましたが、いろいろと考えた結果、しないという選択をしました。現在、抗てんかん薬は3種類飲んでいます。
発作のタイプは単純部分発作と複雑部分発作です。
具体的な症状は、単純部分発作はただぼーっとしているような状態、複雑部分発作は自動症が出て、首を上下させたり、口をもぐもぐぺちゃぺちゃさせたりします。

発作の頻度は、平均でいうと、ほぼ毎日起きます。1ヶ月トータルで30回以上ですね。偏りがあるので、しばらく落ち着いていたと思っていたら、突然、何回も起こることがあります。

 

障害者支援制度を利用

--障害者支援制度は利用していますか?

NOBUさん:利用しています。

障害者手帳はてんかんで精神障害者手帳は1級、聴覚障害で身体障害者手帳は4級を取得しています。

てんかんを発症したことで仕事が続けられなくなり、現在は生活保護を受けながら就労継続支援事業所に通っています。B型事業所に通っていましたが、今年からA型事業所に通っています。いずれ一般就労をしたいと考えています。

他に自立支援医療受給者証を利用しています。また障害年金は受給資格がなく、利用していません。

 

パープルカフェでは新しい仲間ができた

--パープルカフェに参加したきっかけは?

NOBUさん:ツイッターでこけしさんといつの間にか相互フォローになっていて、パープルカフェを見かけて、とりあえずわからないけど、いっぺん顔を出してみようかなと思ったのがキッカケです。2020年にオンラインで始まったころから参加しています。当事者同士で話してみたいというのと、興味半分でした。

--他の患者さんと話す機会は今までありましたか。

NOBUさん:他の患者さんと話す機会は多少ありましたが、そこまで深く話したことはなかったです。リアルでも当事者に会う機会はあまりないですし、周りにいたとしても、クローズにしている人の方が圧倒的に多いと思います。

 

--実際に参加してみてどうでしたか。

NOBUさん:単純にてんかんでひとくくりにされがちだけど、いろんな人がいるんだなと思いました。発作があっても割り切っている人もいれば、似たような病状でも落ち込んでいる人は落ち込んでいます。

働いている人は働いていますし、自分のようにB型事業所に通っている人もいます。働きたいといった希望はあるが、もどかしさを抱えて生きている人もいます。障害のあるなしに関係なく、いろんな人がいるんだなというのが感想です。

雰囲気は、それこそいろんな人がいて参加者も毎回決まっていないので、常にとは言えませんが、基本的には和やかな感じです。

自分の経験談、体験したことをさらけ出すはないですけど、いろんな話をしています。学べることがある人もいるだろうし、知らなかったことを知る機会もあるだろうと思います。また、何でもかんでもてんかんに結びつけるのではなく、たまにはちがう話で盛り上がることもありますね。

 

--サポート役としても、今後どうしていきたいか、要望や意欲はありますか?

NOBUさん:現状だと、穏やかに和やかに話せる場にしていきたいと思います。「この人と話してみたい」「男女別で話してみたい」などといった希望があれば、ブレイクアウトルームなどZoomの機能を活用していきたいです。それはそれで、全員で話すのとはちがう新しい発見ができるかもと思います。

あとは「受け皿を大きくしたい」と思います。今はてんかん患者が話す場ですが、医療や福祉関係の仕事をしている方や、興味のある方、あわよくばてんかんとは全然関係ない方たちとも混ざって話をできたらと思っています。

障害者を題材にしたドラマなどもありますが、そういう場でしか知る機会のない方に、生の声も聴いてもらいたいと思います。

興味を持ってほしいとか助けてほしいとかそういうことではなく、まずは知ってくれませんかと思います。今は知らなければ知らなくていいんで、知ったかぶりはやめてくれませんかと思います。

よく「器用そうですね」「いろいろできそうですね」などと声を掛けられるのですが、話しているうちに「補聴器をつけているんです」と言うと若干引かれて、「実はてんかんを持っているんですよ」と言うとさらに引かれる、ということを何度も経験してきました。

知らないのはいいので、「てんかん」と聞いただけで、反射的に引くような反応はしないでほしいなと思います。

--NOBUさんの提案でLINEのオープンチャットもできましたが、提案した理由を教えてください。

NOBUさん:何度か参加していく中で、発言したそうだけど前に出てこられないんだろうなとか、文字で会話した方がもしかしたら話しやすいかもなと感じることがあり、
直接話すのとはまたちがう形もあればいいのじゃないかと思い、提案しました。やらないよりよかったかなと思います。話し足りないこと、口では言えなかったことが、オープンチャットだと話しやすいこともあると思います。


NOBUさん、ありがとうございました!

てんかんといってもいろんな人がいる、というのは私も毎回感じていることです。てんかん以外の人たちとも話す機会を広げていきたいとも思います。今後も、てんかんについて自然に話し、知ることのできる社会を目指して、交流の場を広げていきたいと思います。

※パープルカフェは、本名や顔を出さずに参加することも可能です。できるだけ、色々な方が、ご自分のペースで参加できるようにしています。

興味を持った方は、お気軽にお問い合わせください。