てんかん 脳波検査 はなんのため?

子供の頃に「 てんかん 」について知る場所は、毎月通う小児科だけでした。

でも、今思えば自分の「 てんかん 」ついて主治医から教わったことは「 脳波に異常がある 」ということくらいでした。

それは時々行う「 脳波検査 」の結果を見て説明されました。

 

「 脳波検査 」は脳の電気の流れを測って脳の働きを調べるもので、検査結果は何本もの波の形で記録されます。脳梗塞や睡眠障害など、色々な脳の病気の診断に使われます。

 

「 てんかん 」だと、最初の診断の後も、治療の経過観察などで定期的に検査を受けることがあります。

 

…というのは、大人になってから知ったこと。

 

子供の頃のこけしにとって、「 脳波検査 」は何だったろうか…?

頭にペタペタ沢山装置を付けて、寝た状態でパチパチ光を見せられて、最後は眠るので、結構時間は掛かります。終わった後は頭がベタベタ…面倒くさくて気持ちいいものじゃありません。

脳波検査

でも毎回、検査の後は期待をしていました。「 新しいことが分かる 」んじゃないかって。

 

子供の頃のこけしは、病院は「 病気を治すための場所 」で、 脳波検査 も「 病気を治すための検査 」だと思っていました。

 

てんかんを治す方法 」が分かったと先生が言ってくれるのを、ずっと待っていたのです。

でも、検査の後は毎回、何枚もある脳波の記録を見せられて、その中で「 ここに異常な脳波がある 」と説明されることの繰り返しでした。

 

何度となく受けた検査ですが、一度だけ検査中にてんかんの発作が起こったことがあります。

その頃よく起きていた気分が悪くなる発作で、数分で元に戻るので、黙って検査を続けました。

 

その時、発作のつらさよりも、「よし!やった!」いう思いが強くありました。

「 検査中に発作があったから、きっと今までと違う、新しいことが分かるはずだ! 」と思ったのです。今思えば、まるで根拠のない子供の発想だったわけですが…とにかく、次の診察にはいつもよりドキドキワクワクしてのぞみました。

 

でも、主治医の説明はいつもと全く同じでした。「 脳波の一部に異常がある 」だけ。今まで何度も聞いた話。…かなりガックリしたのを覚えています。

脳波検査

今思い返してみると子供の時に、 脳波検査 の目的をちゃんと説明されていなかったのかなと思います。本人や親への説明なしに検査はしないとは思いますし、もしかしたら忘れているのかもしれないけれど、説明された覚えはありません。

 

なので、大人になってから 脳波検査 の目的を知って「 あんなに何度もする必要が本当にあったのか? 」と疑問を抱きました。また、大人になるとお金のことも意識するもの…「 無駄に医療費を親に払わせたんじゃ?無駄に税金を使ったんじゃ? 」なんてことも考えました。

 

服薬変更時の診断など、目的はちゃんとあったのかもしれませんが、もう確認しようがありません。もしも当時目的をちゃんと説明してもらえていたら、今になってこんな風に疑問や不信感を抱くことはなかったかもしれません。

 

それと、このブログを書く際に、てんかん情報センターのHPを見て知ったのですが、通常の検査で計測されることはまれですが、「 発作時の脳波は重要な情報をもたらす 」そうです。

 

私が幼いながらにも考えたことは割と的を射ていたのです。

あの時知っていたら、「 検査中に発作があった 」と迷わず主治医に話したでしょう。

いやそもそも、検査中に発作があったか主治医が確認してくれていれば…。

 

子供は口に出さなくても、けっこう色々と考えているものです。

どこまで理解できるかはともかく、自分の病気や、自分が受ける検査について、大人がちゃんと説明することは大切なのではないでしょうか。