タスク管理をしてみて、個人的にすごく助かっているのは、「余計な感情に振り回されずに行動できる」こと。
タスク化すると、書き出されるのは「行動」のみで、「感情」は含まれません。
また、「自分のタスク」と「他人のタスク」を分けて考えることができます。
夫婦生活の中で相手の行動にイライラしたときも、タスク管理が有効です。
えなりくんとは大学で知り合い、結婚してもう15年ですが、今でもよくイラっとさせられるのが、「使った物を片付けていないとき」。
私もやりがちですが、何でも出したらそのままにしちゃう人です。
服を脱ぎっぱなしにしたり、家のカギをどこ置いたか分からなくなったり…
先日、ドライヤーが棚に戻されずに置きっぱなしにされていました。
面倒くさいから片付けてしまいたくなりますが、それはお互いにとって良くないです。
障害者支援の場でも、支援者が必要以上に手を出してしまうと、その場はスムーズに片付くように見えますが、利用者様にとっては「やってもらうのが当たり前」になり、自分でできることが減ってしまう、という失敗が起こりがちです。
では、「片付けなよ!」と感情のまま怒るのは?
相手はいい気がしませんよね。けんかになっちゃうかもしれません。
こちらはけんかしたいわけではなく、自分で片付けてほしいわけです。
そこで、タスクペディアを使います。「ドライヤーを片付けてもらう」ためには、自分(当方)と相手(先方)はどういう経緯をたどることになるのか・・・?
①ドライヤーを片付けてほしいと伝える(当方)
②いつ片づけると決めてもらう(先方)
③ドライヤーを片付ける(先方)
④片付けたことに声掛けする(当方)
実際にどうなったかというと・・・
「ドライヤーを片づけてくれる?」
「気が向いたら」
「何日までに片づける?」
「来週」
今やれよ!とも思いますが、自分で片付けると決めてくれたので、①と②のタスクは完了。
床に置きっぱなしのドライヤーは気になりますが、あとは相手が期日までに片付けるのを待つだけ。他に自分が今やることはなくなったので、イライラは減少しました。
結局、数日かかりましたが、ドライヤーは片付けられていました。
「ドライヤーしまったんだね」と声掛け。これでタスク③と④、全て完了です。
大事なポイントは「自分で決めてもらう」「終わったら声を掛ける(ほめる、お礼を言う)」です。
これは障害者支援の中で学んだことです。
人間、人に言われてやったことは続かないもの。
日中作業に通うのを渋る利用者様がいたとき、無理やり行かせるのではなく、「何時に行きますか?」と聞いた方が通所できる、ということがありました。
「いつまでにやって」ではなく「いつまでにやる?」と自分で考えて決めてもらうことで、実行率が上がります。
また、人間、悪いことの方に目が行きがち。
失敗をとがめることは自然にやっていても、成功をほめることは忘れがちです。
例えば、服薬管理支援をしていると、「飲み忘れ」が一回でもあると厳しく注意しがちです。
しかし、長いスパンで見てみると、以前は毎日服薬の声掛けが必要だったのに、声掛けなしで自分で服薬できるようになっていて、すごく成長しているのです。
一回の失敗にばかり注目して、いつの間にか、普段の成功は「できて当たり前」と評価をしなくなっていた、と気付かされました。
行動をちゃんと言葉で評価されることは、成功体験となり、次の行動へのモチベーションになります。
これらが実際、えなりくんにどのくらい効果があったかは分かりませんが・・・
少なくとも今回、自分で片付けてくれたのは確かです。
ま、一番大事なのは、「自分自身が落ち着いて動けたこと」です。
最後に・・・
この事例だと、えなりくんがだらしないやつと感じてしまうかもしれませんが、人間だれしも、だらしない所や苦手なことはあるものです。
えなりくんは、お金の管理はかなりキッチリやる人で、しっかりしているところもたくさんあります。
人それぞれ、得意・不得意があり、得意を伸ばして不得意を補う手段のひとつが「タスクペディア」だと思います。
だれでも無料で使えるので、よかったら試してみてください!↓