「 てんかん 」とは子供の頃から気付いたらもう四半世記の長い付き合いですが、「 てんかん 」について「 知らなかったことが沢山ある 」と気付いたのは大人になってからのことでした。特に、「 難病 」「 障害者 」として特別な支援を受けられることを知り、私が実際、 支援制度 を利用するようになったのは、ここ10年くらいの話です。
11歳に発症してから15年くらいは、こうした 支援制度 との接点はありませんでした・・・。場合によってはもっとずーっと知らなかったかもしれません。
知るきっかけは、縁あって精神保健福祉士の資格を取ったことと、精神障害者向けのグループホームで働いたことです。思えば、自分以外のてんかんの患者さんに会ったのも、ここが初めてでした。
そして、初めて 支援制度 を利用したのは30歳の頃です。
職場でも発作のあった私に、上司が治療に専念するため休職して、その間「 傷病手当金 」を利用することを勧めてくれたのがきっかけでした。
その後「 傷病手当金 」「 障害年金 」「 障害者手帳 」「 自立支援医療受給者証 」「 医療費助成 」などの 支援制度 を利用することになり、今もいくつか利用を続けています。今になって思えば、「 もっと早く利用できれば良かった 」というものも少なくありません。もちろん、 支援制度 は前からあり、利用可能だったものもあります。でもそれを知る機会がないままでいたのです。
・・・そもそも「 てんかんは支援が受けられる病気だよ 」って、誰が教えてくれるものなんですかね?
医者ですか?学校の先生?役所の職員?親?
学校だと、医療や福祉などの専門的な学校でないと学ばないですよね。それに、基本「 支援する 」立場で勉強することですね。実際、自分は病気の「 当事者 」としてではなく「 支援者 」として 支援制度 を知りました。
色々な支援を受ける際は、基本役所で手続きを行いますが、そういう制度自体を知らない時点で、「 病気になったから役所に行こう 」とはならなかったでしょう。子供の頃はなおさらです。
親は「 てんかん 」という病名と、偏見などは知っていたけれど、それ以上のことは知らなかったのだろうと思います。よく知らなかったからこそ、慌てて口止めしてしまったのでしょう。そして、親戚にも学校にも隠していたわけですし、病院以外で「 てんかん 」の話をする、新しい情報が入ってくる場は親にもなかったのではないでしょうか。
・・・となると、子供の頃に関わった中で、専門的知識を持っていたのは、病院だけでしょうか。でも今思い返してみると、10年以上通い続けた小児科の主治医が教えてくれたことは、服薬と脳波に異常があるということくらいでした。
色々と知った今だから思うことですが、子供の頃に「 てんかん 」について教わったことは、とても少なかったのです。