小学生で発症してから、大学生になっても、同じ病院の小児科の同じ先生にずっと掛かっていて、「 てんかん 」の治療は10年間、毎日の服薬・毎月の診察・定期的な脳波検査の繰り返しでした。誰もそれ以上のことは教えてくれませんでした。自分でも調べることはなかったです。
「てんかん」は隠さなければいけないものだから病院以外で話をすることもなく、また病院で知ったこと以上のものがあるとは想像していなかったのでしょう。ちなみに当時インターネットは普及前、携帯電話を持ったのは大学からです。
大学も4年生になってやっと、私は「てんかん」に関する 全く別の世界 を知ることになりました。きっかけは、「 医薬にたよらない健康法 」という一冊の本。
薬のみに頼る治療に対し、自分自身で回復する自然良能の力で病気を予防し治療する「 西医学健康法 」についての本でした。ちなみに大学でのこけしの研究テーマは「食の安全性」だったので、「食事と健康」に関する本を手に取ったのだと思います。
その中に「 てんかんは治る 」とドンピシャの事例が載っていたのです。
2歳からてんかん発作があり「薬を飲み続ける以外に発作を抑える方法はない。一生不治である」と診断された男の子が、8歳の時に西医学健康法で回復、それ以降は服薬せずに発作なく過ごせているという話でした。
早速著者の渡辺正先生が当時院長だった渡辺医院へ行き、一ヶ月入院治療をしました。ちょうど東京ですぐ行ける場所で、本当にラッキーでした。そして、今までにないくらい、身体全体が健康になるのを感じて、実際、薬を飲んでも毎月起き続けていた発作が、初めて止まりました。
嬉しいことでしたが、同時にショックだったのは、本に載っていた事例が、 自分が生まれる10年も前の話 だったことです。本の出版も自分が生まれる前のことで、しかも改定版でタイトルに「食と健康の 古典 」と書かれていました。自分にとって新鮮で効果的な治療法は、自分が生まれるずっと前からあったものだったのです。
最後に小児科の主治医に会った時、「てんかんは薬を飲む以外に治療する方法はないんですか?」と質問しました。答えは「ありません」でしたが、私はそれが間違いだということをすでに身を持って体験していました。もっと早く知ることができていれば、私の人生は大きく変わっていたでしょう。