抗てんかん薬のハネムーン効果

てんかんの治療というと、基本は「抗てんかん薬の服用」です。
発作が起きて診断を受けると、基本的な薬を1種類試して、効果や副作用を見て、調整するそうです。
新しい薬の開発が進められ、現在、約30種類はあるそう。
7~8割は服薬で発作を抑えられると言われ、こけしのように服薬で完全に発作が抑えられない場合は、「難治性てんかん」となります。

こけしの場合は最初にテグレトール(カルバマゼピン)を処方され、細かいことを除けば11歳から変更ありませんでした。
他の薬を試したのは、30代、先日ブログに書いた「てんかん専門医」に初めてかかった時です。
先生が提案したのは「イーケプラ」。カルバマゼピンより新しい薬です。
治療に専念するため休職したのに、成果が上がらず、ダメもとで試しました。


すると、どうでしょう!!毎月あった発作が、ピタッと止まったのです。まさに、魔法のようでした。それから3ヶ月、発作のない平和で幸せな日々が続きました
しかし…また発作が起きてしまったのです。あれだけ効いていたのに、元通り…。生活習慣や体調は特に変わっておらず、突然のことです。

先生は、最初だけ効果が出て徐々に効果が薄れてしまうケースはある、「ハネムーン効果って言うんだけどね」と教えてくれました。
「ハネムーン」って新婚旅行?と最初ピンと来なかったのですが、ハネムーン(蜜月)は「結婚して間もない頃」「親密な関係にある」という意味があり、そこから「ハネムーン効果」と呼ばれる心理法則があるそうです。
夫婦関係の満足度は新婚の頃が最高潮で、時間が経つと段々冷めていく、また仕事だと入社当初はやる気満々だったのが、段々とつまらなくなっていく、といったことを示します。
つまり…イーケプラは最初とってもイチャイチャしていたのに、3ヶ月でこけしに飽きてしまったのです。

その後、仲人の先生に「カルバマゼピンとは別の部分に効いているから、飲み続けた方が良い」と言われ、副作用も特別なかったので、今も一緒に暮らしています。ハネムーンのような効果は戻ってきませんでしたが…。

もう一度、新薬を試す機会がありました。仲人は二人目のてんかん専門医の先生で、お相手は「ラミクタール」、イーケプラよりも新しい薬です。
前回のことで不安もあったのですが、発作が減らないので、試してみました。
すると、どうでしょう!!また、ピタッと発作が止まったのです。しかも今度は3ヶ月過ぎても止まったまま!…しかし6ヶ月経った頃、発作が起き出し、またもひと時の甘い夢となってしまったのです…。

その後、服薬を続けても大きな効果は期待できなそうなので、ラミクタールとは完全に離婚しました。
先生をいまいち信頼出来ていなかったこと、出来れば薬は減らしたいのに何種類も飲むのはつらかったこと、視覚的な副作用があったことも服薬中止の理由です。
副作用はカーテンのしわが動いて見える気持ち悪い現象で、本当に副作用かは正直分からないのですが、中止の口実にした感じです。

現在はカルバマゼピンとイーケプラの服用に併用してケトン食や西医学療法での治療を続け、少しずつですが発作も減り、減薬も進められています。

主治医はてんかん専門医ではありませんが、新薬の情報はくれますし、今後新薬を試す機会もあるかもしれません。

まずは、駆け抜けるようなハネムーンの甘い日々よりも、末永く穏やかな日々を目指して、現状を一歩一歩頑張っていこうと思います。

抗てんかん薬は人によって効果や副作用は色々、また服薬以外の治療法もあります。情報を広く知ることが出来て、自分に合った治療法を医師と相談して選び、進めていける治療環境が大切だと思います。